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概要

夢ぷらざ vol61

4実は松居さんのお母さん、地域で空き家再生などを担っている「NPO法人鞆まちづくり工房」の代表。歴史ある鞆の町並みが寂れていくのをなんとかしたいと立ち上がり、古民家を改装してカフェとして活用するなど、空き家再生を40軒近く手掛けてきました。「この御舟宿いろはも再生したものの一つ。僕が鞆に戻ってきたのは、活動が忙しかった母に手伝ってほしいと言われたからというのもあります。鞆待宿のサイト内に掲載している茶屋蔵も再生を手伝いました。今は御舟宿いろはの運営をしながら鞆待宿の活動をしている状態で、二足のわらじで頑張っています」。母である松居秀子さんが口癖にしているのは、「私たちはこの町を〝借りているだけ?。先人たちが築いてきた千年続く町の歴史を、たかだか数十年暮らしている私たちが駄目にしてはいけない」。そんな言葉に共感するように、松居さんもまた、「町のために」という思いを強くしていったのだと話します。「鞆待宿のサイトでは、当初から町の風景写真を随時更新して載せています。このサイトを見た人に、少しでも鞆を好きになってもらいたいと思って。そんな写真を見て、外部からだけでなく、鞆の人からも反応をいただきました。あんな風に町を表現できるなら、他にも撮ってみないかと。そして生まれたのが無形民俗文化財であるお手火神事の動画です。こちらは茶屋蔵で1週間に渡って映写会を行い、多くの人に観てもらいました。実際に観て下さった方から、〝こんなにすてきに撮れるんだったら、うちの店のPR動画も撮ってほしい?と依頼をいただいたりして、確実な手応えを感じましたね。鞆まちづくり工房からも鞆待宿の活動を認めてもらい、一緒に町を良くしていこうとあらためて決意することができました」。「鞆の魅力は、観光地化されすぎていなくて人々の暮らしが昔と変わらず続いているところ。ぜひ実際に訪れて、その様子を肌で感じてほしい」と話す松居大祐さん先人たちが築いた町を廃れさせないためにNPОとタッグを組み地域再生を担っていく